近畿大学様は2025年に創立100周年を迎えられました。同じ時代を共有した近畿大学様へのインタビューが実現しました!
今に伝えたい、創立時の想いについて教えてください。
「近畿大学は、1925年創立の大阪専門学校と、1943年創立の大阪理工科大学を母体として設立されました。初代総長は世耕弘一です。進学したい想いが強くあったものの、経済的な事情などで一度は進学を断念しました。しかし、材木問屋に奉公に出た後も、学びたい想いは変わらず、東京・神田の英語学校、日本大学に入学し、その後大学教授を務めるなど、学問への想いを叶えました。」

(事務局コメント)
初代総長である世耕弘一さんの「学びたいものに学ばせたい」という想いは、ご自身の経験にもとづかれるものですね。自身の学びを成し遂げるだけでなく、次世代に対して学びの門戸を開かれたことに感銘を受けます。
「本学は、『実学教育』と『人格の陶冶』 を建学の精神として掲げています。創立当時は、アカデミズムの強い、学問のための学問が主流でした。実学を学んで、即戦力を持って社会に出ていくことを目指す『実学教育』は、新しい考えでした。
本学には、創立当初から『研究を軸に社会に貢献しよう』という意識がありました。官立大と異なり、お金が国から補助されないという実情もあり、『研究を実用化して生まれた利益を次の研究へ』という考えが生まれ、現在広く知られる水産の取り組みにつながっています。泥臭い理念の中で始まった歴史です。
本学は、マグロ、タイ等の養殖技術を先駆けて研究し、世界に向けて『養殖』というワードを打ち出しました。昔は、結婚式など特別な機会でしか食べることができなかった高級魚を、養殖のおかげで食べる機会を増やすことができました。」
養殖技術について教えてください。
「敗戦直後の日本。和歌山をはじめ全国の漁港では、漁獲高が大幅に落ち込んでいました。それを見た初代総長である世耕弘一は、目の前に広がる海を『畑』と捉え、『海を耕す』という理念を掲げて魚の養殖を試み始めました。マグロ養殖等の技術に加えて、魚を掛け合わせ両方の長所を併せ持った※サラブレッド魚を生み出しました。イシダイとイシガキダイを掛け合わせたキンダイ、上品な味わいのクエと成長の早いタマカイをかけあわせた近大クエタマなどは、優れた味わいと成長の早さを兼ね備えています。
畜産や農作物と比較して、魚には天然を求める声が多いですが、ぜひサラブレッド魚を一度食べてほしいですね。」
※近畿大学がその概念を簡潔に表現するために創作した言葉であり、学術的には「交雑魚」と呼ばれます。
(事務局コメント)
確かに魚は天然のものが養殖より美味しいという固定概念があったと気づきました。今後も、それぞれの魚の持つ良さを養殖技術で掛け合わせた美味しい魚が、食卓へと広がっていきますね。


サントリーホールディングス株式会社様と協業し、2025関西・大阪万博で近大マグロ等をお客さまに提供した際の反応などを教えてください。
「実は55年前、1970年の大阪万博でも、近大の養殖魚を提供しています。『キッコーマン水中レストラン』に協力し、店内の水槽で展示した際は、お客さまから、まず魚を養殖できることへの驚きの声があがりました。前回の万博以降、養殖魚の認知が広がり、今回の万博では、お客さまに自然と楽しんでいただけました。」
学生とともに取り組まれた100周年記念事業の中で、特に印象に残っている取り組みについて教えてください。
「万博会場で、本学創立100周年を記念した1日限りのスペシャルイベント『海と大地を耕す』 を開催しました。本学の研究成果をパネル展示で説明するなど学術に特化した展示のみで、来場者の関心を惹けるのか疑問がありました。そのため、『食』を前面に出したテーマとしました。当日は、さかなクンをゲストに迎え、2万人ほどの方々に来場いただきました。
また、近大マグロの解体ショーが大人気で、朝から行列ができました。自己満足的なものではなく、一般の皆さまに広く受け入れてもらえるイベントを目指した結果が、この反響に繋がったと思います。
万博以外でも養殖魚を提供していますが、実は、近大の名前がつくと、よく売れます。食材に大学名を出して、美味しそうと感じてもらえるというのは、本学の強みです。」
(事務局コメント)
美味しい魚を食べることができるだけでなく、知識も得られるなど、自然と貴学の取り組みが将来の受験生になりうる子供たちに伝わります。大学名で美味しさが伝わるというのも、貴学の魅力の一つですね!

「万博以外で、学内イベントも実施しました。本学は創立100年ですが、他を見れば、150年、300年とより長い歴史を持つ大学があります。そのため、”100周年”を対外的に打ち出すよりも、学内のターニングポイントとして100周年を大切にしたいと考えました。
例えば、100周年を学生に体感してもらうため、大学祭でドローンショーを行いました。100周年という歴史を体現し、学生の記憶に残るイベントになったのではないかと感じています。」

(事務局コメント)
受け取る側の立場に立って、徹底的に考えることの大切さを学びました。学生やイベントに参加された方が、どうしたら喜んでくれるかを考え抜かれた結果、技術や歴史が伝わり、景色とともに心に残る素敵なイベントになったのだと思います。
また、創立100周年記念サイトについても、大学の歩みやサポートしてきた方々がいるということを伝えたいという想いで、担当者の方々が丁寧に作り上げたそうです。実際に拝見すると、それが伝わる内容になっていると思いました。
学校を卒業し社会人となった今でも、人生に根付く教育の大切さを忘れたくないと思いました。自分の考えを持ち、相手のことを考えることを、業務や日常でも活かしていきたいと思います!!
次回はインタビュー後編です。次の100年を築く若者を育てる想いは必見です!ぜひご覧ください!